「ハイツイストコットンフットカバー」を作ろうと思った理由は、old manという神戸の靴職人が作るハンドメイドモカシンで縫い上げられた革靴との出会いでした。
その圧倒的に美しい形状に魅了され、この革靴をかっこよく履くための靴下を作りたいと思いました。
“世の中のオジサンが夏場にかっこいい靴をかっこよく履いてほしい。”
このような男性がローファーを履く際に、デザイン性を損ねず脱げにくく快適なフットカバーを届ける。
それが、「ハイツイストコットンフットカバー」の開発テーマでした。
フットカバーは本来、脱げやすいか、脱げないけどゴムが痛いかどちらかになってしまうことが多い商品カテゴリーです。
また、ローファーを履いた時、靴下が見えてもデザインに影響しないことが求められます。
フットカバーは脱げなくするためには一つ一つ細かな設定と検証が必要です。
まるで加点方式で一定のラインをクリアすると脱げにくいフットカバーとなるイメージです。
完成が近づいたころ、試作品を持ってフットカバーに拘りがあるバイヤーに試してもらいました。しかし、試し履きをした瞬間、バイヤーさんから感想がなかなか出て来ず、感想が出ないということは驚くほど良いものを作れていないことだなと思い、一から設計を変更したこともありました。
後々、試し履きをしていくうちに判明したことですが、試作品は足の甲側にぐるりとゴムが入っている仕様で脱げないけれど、長時間使用すると痛くなってきてしまうということでした。
そのため、発売は1年間延期となりました。
そこから、靴下の生地のかかとの包み方、角度、ゴムのパワー、シリコンラバーの厚み、形状などを一つ一つ検証し、1年半かけてやっと完成したのが、「ハイツイストコットンフットカバー」です。
コットンの中でも強撚と言われる糸の撚りが強いコットンを使用しているので、さらっとした肌触りで、なおかつドライで脱げにくいフットカバーが完成しました。
この靴下が主役になることはありません。
だけど、夏のメンズのファッションにさりげなく快適さを届けられたらと思っています。