NISHIGUCHI KUTSUSHITAについて、
もっと知りたいという方にむけた読み物です。
目を閉じると、思い出す風景がある。そして、その風景から漂う雰囲気に加えて、ふと目にした「色」も私たちの記憶に強い印象を残していることに気づきます。その場所でしか出会えない「色」があるのだとしたら。「色」を紡いだ先には、ひとつの物語が生まれていくかもしれない。そんな想いから、シーズンカラーのストーリーを綴りました。今後、シーズンカラーのご紹介とともに、様々な街を舞台に、その街で出会った色とともに、物語をお届けしていきます。あなたの暮らしている街や、旅先の思い出にはどんな色がありましたか?
「いつか、アメリカでNISHIGUCHI KUTSUSHITAを取り扱ってもらいたい。」そう思いつづけて、ついに取り扱いが始まったのは2020年。
初めての取引店は、ボストンにあるお店だった。結局この2年間、海外に行くこともできず会うこともないまま、メールでのやりとりが続いたが、メールの文面からもオーナーの優しいお人柄を感じていたのでずっと機会を待っていた。
ようやく、動き出せるタイミングが来たので、チケットを取りボストンへ向かった。
別に展示会などの用事があるわけじゃない。ただ、NISHIGUCHI KUTSUSHITAがどのように届き、どんな形で街や暮らしに溶け込んでいるのか、自分の目で見たかったからだ。
ジェネラル・エドワード・ローレンス・ローガン国際空港からボストン市内までは、地下鉄で15分ほど。空港からとても近くて便利。ボストンの街は、レンガ造りの建物が多く、街並みの至る所に歴史や文化を感じることができて歩くだけで心が弾む。ギャラリーがたくさんあるのもうれしい。 KUTSUSHITAがどのように届き、どんな形で街や暮らしに溶け込んでいるのか、自分の目で見たかったからだ。
最近、感性を磨くことも、仕事ではとても大切なことだと、つくづく想う。 世の中にモノが溢れる中、靴下を作るためには作る意味が必要でそのプロセスも、アートだと思うから。今日何気なく見たアートも、きっとなんらかのアウトプットにつながるはず。 そんなことを考えながら歩いているうちに、念願のお店に辿り着いた。
「はじめまして!」「ようやく会えたね!」
2年越しに会えた喜びは格別で、気づけば長い時間、お店のことや、靴下のことについて、話し込んだ。NISHIGUCHI KUTSUSHITAが、この街のみなさんに愛されていることがわかり、ますます頑張れるエネルギーをもらった。
店を出ると、すでに陽は沈み、夕日がレンガをさらに美しく彩っていた。「また、来なくちゃ。」そう言い残して、チャールズ川を隔ててボストンの対岸に位置する、ケンブリッジへ向かうことにした。
ギャラリーが点在しているボストン。たまたま立ち寄った個展で、鮮やかな緑の絵の具で描かれていた作品が印象的だった。
ビーコンヒルは、レンガ造りの建物で囲まれていた。レンガの風合いは微妙に違っていて、一つひとつの個性が面白い。
ビーコンヒルの街並みには、昔設置されたガス灯が今も使用されている。夜になると、優しく、そして暖かく、街を見守っているような存在だ。
ボストンを代表する「ニューイングランド水族館」。色鮮やかな魚たちと海の青は、自然がつくる最高のコントラストかもしれない。
フードコートや洋服、アクセサリーなどが集うクインシーマーケットは本当に賑やか。中でも目を引いたのはショッキングピングのパーカーだった。
ボストンの公園で見つけたのは、無料で使える日焼け止めが入ったボックス。市民の肌を夏の日差しから守りたいという、街の姿勢が好き。
マシュマロをペースト状にしたフラッフ。ボストンでは、ジャムと一緒に並んでいる。パッケージが可愛くて、ついおみやげに買ってしまった。
1897年開通したアメリカ最古の地下鉄網は、市民の間で「T(ティー)」の愛称で親しまれている。中でもグリーンラインはボストンの観光名所に行くのに便利だ。
フェンウェイバークが本拠地のMLBボストン・レッドソックス。あのべンチ裏の席で感じた熱狂は、今でも忘れられない。
ロブスターがふんだんに使われていて、濃い目の味付けもたまらない。思わずビールが飲みたくなった。
ボストンのフレンチシェフが考案したスイーツ。たっぷりのカスタードとチョコが使われている。背徳感もプラスされて格別の美味しさに。
ボストン大学の学生が使っていたものが大正時代、日本に入ってきたことで「ボストンバッグ」という和製英語が生まれた。旅行カバンにもぴったりだ。